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平成26年10月30日(木)13:00〜15:00

第20回 からだとこころの健康シリーズ 
 「地域で認知症をサポートする」


    場 所:住民交流センター「こもれび」サロンB

    講 師:服部節子さん
       (公益社団法人「認知症の人と家族の会」滋賀県支部)

    参加者:15名


 今回の講師の服部節子さんは、アルツハイマー病のお姑さんと、脳血管性認知症のお母さんの介護の経験をお持ちです。壮絶ともいえるこの経験をお話しすることで、認知症患者の苦悩に寄り添い、また介護者が孤立してしまわないようにとの気持ちで「認知症の人と家族の会」で活動されています。

 お姑さんの介護は15年に及び、享年92歳でお亡くなりになったそうですが、発症初期の時期が最もつらかったということです。

 お姑さんを地域の老人会へ連れて行っても、嫁の悪口を言い、「何という嫁だ」という地域の目にさらされてつらかったこと、ご主人の了解を得て、病気を公表して地域の理解を深めていったこと、しかし、次第に進行して老人会のなかで孤立し、間違いを指摘されて落ち込むことが増えていったこと、社会参加が出来なくなり、家族の全面的な介護にゆだねられていったこと、失禁をしても、臭いが分からず、自分では排尿していないと言い張ったり、そのうち、トイレに行っても便器に排尿できず、洗面器や箱のような枠のあるものに排泄してしまったり、水道の蛇口をひねることが分からず、トイレの水槽で手を洗ったり、草むしりをしても、花も草も区別がつかず、すべてを引き抜いてしまったり、それでも、言い訳はしっかり言って、“ああ言えばこう言う”状態、また実の息子に暴力をふるうようになったり、それは、それは胸がふさがれるようなお話でした。

 そのような悲惨ともいえる介護生活を服部さんが前向きに頑張ってこられたのは、「認知症の人と家族の会」の支えがあったからこそと言われていました。

 認知症のことを学習することで、“認知症とは正常に発達した脳が病的に機能低下して生活障害が出てきた状態”と理解し、都合よく言い訳することは、“患者特有の自己有利の法則”の表れと納得することが出来たと言います。

 お話が終わって、地域にお住いのAさんがお父さんの介護経験を話されました。幼いころの記憶はかなり最後まで残っていることやプライドを保とうとする気持ちを大切にすることなど、これもまた貴重なお話でした。

 次に参加者から、最近近所の居住者の方で心配な人がいるとの話題が出されました。地域で認知症をサポートするとはどういうことなのか、すぐに回答はないが考え続けて行かねばならない課題であることを確認しました。

  認知症 明日は我が身

  認知症 見守る地域につながる絆