第25回「からだとこころの健康シリーズ」
大津市出前講座『山中比叡平で多職種連携による在宅療養を進めるために』
主催:NPO陽だまり・中あんしん長寿相談所・学区社協福祉協議会
| とき:2017年2月15日(水)13:00−15:00
ところ:住民交流まちづくりセンター(旧保育所)多目的室
@講演「住み慣れた場所で枯れる様に亡くなるために、今からできること」
講師:西山 順博医師(大津京 西山医院)大津市医師会在宅療養推進部
A専門職シンポジウム ―高齢の独居・圧迫骨折をされた方の事例を基にー
シンポジスト:渋谷 育美(社会福祉士 中あんしん長寿相談所)
矢守 友樹(ケアマネージャ ふれあいサポート西大津)
中嶋 智子(訪問看護師 洛和会訪問看護ステーション)
保井 洋平(薬剤師 うさぎ薬局)
コーディネーター:西山 順博医師
B質疑応答
参 加:45名(うちわけ講師関係7、中あんしん長寿相談所3、地元35)
内容
・講義
・ヒトはどのように老いていくのか(高齢者の自立度の変化):健康状態 → 歩けなくなる → 食べられなくなる → 認知できなくなる。
・男性の急死(いわゆるピンコロ型)は10.9%、女性は0%で、87.9%は、上記の経過をたどりながら死を迎えることになる。
・山中比叡平は大津市一の高齢化率地域となっている。しかし、介護保険の導入は少ない。
・滋賀県女性の健康寿命期間は短く、2015年度は全国最下位であった。
・病気があっても住み慣れた地域で住み続けられるように、地域連携の取り組みが進められている。2012年にチーム大津京発足(大津市で7チーム)。
・在宅療養サポートチームの目標は「健康寿命の延伸と日常生活に制限のある期間のQOLの向上」そして理念は「こころの平安」である。
・専門職のシンポジウム
・具体的な事例を各専門職がどのように関わって、症状改善と生活維持を果たしていくかが、よくわかった。
・地域、行政、医療、福祉の連携の必要性が理解された。
・質疑応答
・受診している医師に往診が可能かとお聞きしたが、断られたので、今後が心配。
西山:以前と違って、最近は、往診に対応できる医院も増えている。先日のようなバスが止まるほどの大雪の最中は無理かもしれないが、翌日なら可能でしょう。実際、介護士、看護師、薬剤師、医師などの訪問は増えている。また、もし在宅介護をされている方で、冬季の受診や寒い中での生活を心配されているケースがあれば、冬場だけでも療養型病院に入院という現実的な対処方法もあるかもしれない。
・救急車を呼んだ場合、私たちは京都、大津のどちらへ運ばれるのか?
西山他:京都市内の病院に通院していて、治療の必要性があり、病院も受け入れ可能なら京都へ搬送することになる。そうでない場合は、大津市内の病院(救急担当医療機関は大津日赤)へ搬送される。大津日赤も当然受け入れをしますとのことです。
・京都市内で治療をしているが、自力で通院できなくなった時点で大津市内に受診変更できるか?
西山他:京都市内で入院していても、退院時の退院カンファレンスには、大津市が参加できるように連絡をしてもらってください。現在は、他府県をまたいで連携していくシステムがどの病院にもできています。
・自宅で腰痛、脱水など自力で動けなくなった時にはどうすればよいでしょうか?
西山他:ご近所で助けを求められれば良いのですが、無理な場合は、中あんしん長寿相談所へ電話相談してください。必要と判断すれば訪問したリ、救急車要請をすることになると思います。
陽だまりとして、「やまの保健室」と「いきいき体操教室」のお知らせをしました。「やまの保健室」へ連絡してもらえれば、必要機関へ連絡します。
今回初めて、大津市中地域包括支援センター(中あんしん長寿相談所)、学区社協、そしてNPO 陽だまりの3者の共催で研修会をひらきました。皆さんの関心は大変高くて、会場はすし詰め状態、30部用意していただいた資料も足りず、ご迷惑をおかけしました。後日改めて資料を届けていただくことになっています。チーム大津京の専門職、行政の専門職と膝づめで話し合えてとても良かったという面と
改めて、互いに助け合っていける地域を作っていく必要性を実感する機会ともなりました。(南出 記)
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