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第26回「からだとこころの健康シリーズ」

『山中比叡平で安心して生活したい。在宅療養を続けるために、第2回 京都市左京区の病院を知ろう』

共催:NPO法人陽だまり・学区社協福祉協議会・中あんしん長寿相談所



とき:2017年12月7日(木) 

ところ:住民交流まちづくりセンター

講師

@京都民医連    医療ソーシャルワーカー 是澤雅代氏

 第二中央病院   医師          上林孝豊氏

A日本バプテスト病院  看護師         松井公子氏

バプテスト老人保健病院支援相談員       笹間聡 氏

バプテスト老人保健病院支援相談員       松延あけみ氏

B渡辺緩和ケア・在宅クリニック院長・医師    渡辺剛 氏

C(有)グッディ 所長             佐井章 氏

グッディ居宅介護支援事業所 支援相談員    谷井ひろ子氏

参加者:50名(32 名+講師8名+スタッフ10名)



 内容

・司会:中あんしん長寿相談所 小嶋好美 

・開会あいさつ:陽だまりの会 南出成子 

 今年二月に第一回の在宅療養講座「チーム大津京」を開催したところ、反響が大きく好評だった。今回は比叡平の多くの住民が通院している京都市左京区の医療機関から来ていただいて、病院の役割や内容についてお話しを聞けることになった。この企画の実現は、滋賀県と京都府という行政を超えた取り組みであるため、中あんしん相談所のご苦労は大変なものだったのではないかと推察できる。そのご苦労に感謝申し上げたいと思います。

・比叡平の高齢者の状況 中あんしん保健師 原田真弓

「比叡平学区の赤ちゃんから高齢者までの人口の現状について」

2016年3月31日現在の比叡平の人口は2879人で、高齢化率は37.6%、大津市全体より12ポイント高くなっている。その一方、介護保険の認定者は143人で高齢者全体の 13.2%であり、大津市のうちでは最低の認定率である。これは、健康な高齢者が多いと評価できる一面もあるのかもしれない。しかし、行政のはざまで生活に困っている高齢者も多いのではないかと推察もされる。地域の課題として、もっと介護保険の役割や手続きを知ってもらう必要があるのではないだろうか?

・お話:各講師に順に施設の紹介をしていただきました。

1.京都民医連第二中央病院地域医療連携室、同往診センター

・“地域の健康を守る”を目標にして医療活動を行っている。
・お金の心配をせず療養できるように差額ベッド料は徴収していない。 
・リハビリテーションに力を入れており、外来・入院・在宅の連携を強化している。
・寝たきりや、これに準ずる状態で通院困難な場合は在宅医療を受けることが出来る。
・在宅医療では病気だけではなくて、各専門職が協力して、看取りまで含めた医療支援と生活支援を行っている。
・患者さんの病気だけでなく、「不安」にも対応している。
・患者の皆さんは、「老い」を我が事として受け止め、最後は、誰とどこでどのように過ごしたいか考えておくことをお勧めします。



2.日本バプテスト病院 バプテスト老人保健施設、バプテスト地域医療介護支援センター

・病院の基本理念は、キリスト教愛に基づいた全人医療である。
・他の病院にはない職種としてチャプレンが在職している。
・比叡平在住者の受診数は次のようであった(2016/11〜2017/11)。
15歳以下 37人 ・16〜64歳 199人 ・ 65歳以上 236人 ・ 総数 472人。
・救急車の受け入れもしていますので安心して来院してください。
・介護老人保健施設は100床あり、常時80床以上が稼働している。



3.渡辺緩和ケア・在宅クリニック

・2016年4月に発足した、在宅ホスピスを目標にしたクリニックである。
・バプテスト病院の緩和ケアクリニックを前身としているので、希望があればホスピス病棟を紹介することが出来る。
・日々進化しているがん治療に対して治療そのものは行なわないが、治療による副作用や苦痛の相談にのることが出来る。
・対象疾患は、悪性疾患が多いが、神経難病や慢性疾患など広範囲の苦痛に対応して対応できる「新しい在宅緩和ケア」を目指したい。



4.居宅介護支援事業所(有)グッディ

・「グッディ」は、北欧の高福祉国デンマークの「Goddag こんにちは」というあいさつの言葉を社名としている。 
・事業内容は、訪問介護・通所介護・居宅介護支援をおこなっており、事業所は本社、北白川、紫明、比叡平の4事業所がある。
・通所介護は、法的には看護師の配置は必要ないが、比叡平は本社から離れているので安全のため1名の看護師を確保している。
・左京区の施設は、大津市の認知症患者に限って利用することが可能である。 
・介護保険制度の変更により、比叡平の施設は京都市在住者の利用が制限されてきている。
・比叡平の利用者が多くないので、グッディの存続が・運営について考える時期になっている。
・比叡平の人にもっと介護保険の活用をしてほしいと思う。 



・質疑応答

Q:通所リハビリは誰でも利用可能でしょうか?
A:バプテスト病院は可能ですが、送迎はありません。
 グッディは、大津市在住者は介護保険で可能です。
Q:高齢者は増え続けるのに予算は削減され、このままでは介護保険制度はつぶれるのではないかと危惧している。
A:このむつかしい質問(独語)には答えられる人はなし。
Q:一人で最後まで自宅で生活し続けることはできるでしょうか?
A:医療は訪問診療を活用して、生活は介護保険でサポートを受けて最後まで生活できることを目指します。しかし認知症があると対応がむつかしくなる場合が多いと思われます。
Q:先日、姉の夫が急死した。姉は認知症で施設に入所中です。喪主の妹である自分が姉の出席なしで葬式を済ませたが、大変な経験でした。
Q:緊急の場合、往診はしてもらえるだろうか?
A:渡辺クリニック:できる限り断らないようにしています。現在比叡平は2名の患者さんを見ています。今まで’7〜8名の方を看取っています。
 バプテスト:最近訪問診療を受ける方が増えてきています。緊急入院⇒療養病棟⇒在宅へというケースもあります。



全体として:日頃多忙な左京区の医療機関から多くの講師に参加していただき、お世話になっている医療機関の内容を知ることが出来て大変良かったと思います。お話のイメージは、日常の受診・慢性疾患の通院・緩和ケア・在宅ケアという一応の構成ではあったのですが、まず内容紹介を共有することが必要と考えました。時間もいっぱいで、質問を出しにくかったのではないかと反省されます。次への課題としたい。

閉会のあいさつ: 学区社協会長 楠本耕之

 自立して生きていきたいということは誰もが願っていることです。しかし、「自立」ということは孤立とか、やせ我慢ということではありません。適切に人に頼ることが出来る人を自立した人といいます。周りに上手に頼ったり、頼られたりする関係が必要です。頼り上手、頼られ上手になって生活していきましょう。 (南出 記)




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